JIPCA第2回全体会合(2025年5月開催)
第2回は主に以下の点について意見交換を行いました。
今回の討議の観点
①明細書作成と知財コンサルの各適正の比較
②顧客特性の分類とサービス提供で重要になる点
今回の討議の内容
①明細書作成と知財コンサルの各適正の比較
性格面とスキル面の双方から明細書作成と知財コンサルティングでは適性や重視する点が異なるのではないかという意見が出ました。いずれが優位かということではなく、あくまでも特性として、明細書作成の場合、直ちに出願による利益が得られるものではないこと、明細書の品質は必ずしも顧客が評価できるものではないことから、明細書作成においてはある種芸術家のように自身に軸を置ける方が良い面もあるのではないかという意見も出ました。
一方で、知財コンサルティングの場合、傾聴性がより求められるのではないかという意見や、多岐にわたる顧客からの相談事項に対して即座に一定程度回答するある種の瞬発力が必要なシーンもより多いのではないかといった意見が出ました。

図1 性格面、スキル面から見た明細書作成と知財コンサルの各適正イメージ
②顧客特性の分類とサービス提供で重要になる点
上述のような、サービス提供者側の適正に加え、サービス提供先である顧客の特性によっても提供するサービスで重視すべき点は異なるのではという意見が出ました。
例えば、自ら課題感を相談される方がいる一方で、どちらかというと何に課題を抱えているか、知財専門家側から引き出していくようなケースもあり、後者では色々な角度から課題を引き出すような問いかけが重要であるといった意見が出ました。
また、顧客の役職や部署、或いは会社の規模(大きくは、スタートアップと大企業)によっても関心事項や状況が変わるため、サービス提供の仕方を変えていく必要があるという意見が出ました。
とりわけスタートアップの場合、1件の特許の価値も大きく、またビジネスも短期間に方向性が変わるので、そのような状況を加味した対応が求められるといった意見も出ました。

図2 顧客特性とサービス提供において重要な点